こんにちは~たか姉です♪
私は兵庫県姫路市で結婚相談所の仲人をしています。
今日は、数カ月前に退会された、ある男性会員さんのお話をさせてください。
といっても、成婚された会員さんのお話ではありません。
成婚には至らなかった会員さんのお話です。
「名田さんにはお世話になったので…」
数か月前に退会された60代の男性会員、Nさんから、突然お電話をいただきました。
「ん??どうしたんかな?」
と思って電話に出ると、
「こんにちは、今少しお時間よろしいでしょうか?
名田さんにはお世話になったし、何かお礼はしたい気がして……。
今、お店に来てるんです。
でも、名田さんのお好みが分からないから、お電話しました」
と。
……えっ?!
突然のことに、私は本当に驚きました。
嬉しいのと、驚いたのと。
というのもNさんは、成婚して退会されたわけではなかったし、退会も数か月前・・・。
まさか私のことをいまだに思い出して下さってたなんて・・・。
Nさんとの婚活
Nさんが婚活を始められたのは、親御さんの介護を終えられたことがきっかけでした。
活動された期間は、約5年。
年上の女性ともお見合いをされたし、関東や四国など、遠方の女性ともご縁を求めて活動されました。
会員さん向けの婚活イベントにも参加されました。
ご自身なりに、フィーリングが合う方を求め、できることはやってこられたと思います。
また、私から見た婚活の視点についても、
「仲人さんから見たらどうですか?」
など積極的に聞いてくださったり・・・。
私は、そういう姿勢に、「会う回数を重ねる毎に、Nさんの優しいお人柄が伝わっていけばいいな」という思いでサポートをしていました。
だからこそ、お見合いや交際についても、何度もお話をしました。
時には、耳の痛いことも。
例えば、
「相手ともっと距離を縮めたいなら、それを相手に求めるより、まずは自分からですよ」
「用事がなくても、ちょっとした雑談をすることで、相手のことが分かってくることもありますよ」
そんなことを、いろいろとお伝えしました。
夜遅くに電話でお話しすることもありました。
もちろん、私がそうしたからといって、うまくいくとは限りません。
婚活の主人公は、会員さんですから。
私は、できることを一緒に考える。
そして、実際にどうするかを決めて行動するのは、会員さん自身です。
Nさんもそれをきちんと理解し、ご自身の責任で取捨選択しながら、一緒に婚活を続けてこられたんだと思います。
「65歳になったので・・・」
Nさんは65歳という年齢を一つの区切りとして、婚活を終える決断をされました。
「65歳になったし、これから結婚というのはもういいかなと思いますので、辞めようと思います。お世話になりました」
電話越しのお声には、多少疲れた様子は感じ取れました。
でも、いつものNさんらしく、誰を責めるともなく、淡々とおっしゃいました。
婚活って、結婚が目的です。
だからこそ、結婚できれば、それまで頑張ってきたことも「良かった」と思えるのかもしれません。
でも、結婚に至らなかった場合、
「今まで頑張ってきたけど、何だったんだろう……」
そんな、何とも言えない虚無感や、やりきれなさが残ってしまうと思うんです。
Nさんの婚活は、そこで終わりました。
私はそれを、分かっているつもりです。
だから、退会されたことについて、Nさんが私に何かを返す必要なんて、もちろんありません。
だからこそ、あの電話が嬉しかった
そんなNさんから、
「何かお礼をしたい」
と言っていただいた。
しかも、
「名田さんの好みが分からないから、電話しました」
って・・・。
本当に、びっくりしました。
お気持ちだけで十分だったので恐縮したのですが、せっかくのお気持ちに甘えさせていただくことにしました。
ちょうど私は抹茶にハマっていたので、
「和菓子で、ある程度日持ちするものがいいです」
とお伝えしました。
そして、Nさんが選んでくださったのが、姫路の老舗のどら焼き。

翌日、すぐに届きました。
箱を開けて、どら焼きを見た時、なんとも言えない感情がこみ上げてきました。
もちろん、味わい深くて、とても美味しい。
でも、このどら焼きは、私にとって単なる「いただきもの」ではありません。
仲人人生の中でも、一番思い出深いお菓子になったと思います。

「Nさんの成婚する姿も、見たかったな」
お気に入りのお抹茶と一緒に、どら焼きをいただきながら、
ふと、
「Nさんの成婚される姿、私も本当に見たかったな……」
という思いが浮かびました。
その瞬間、自然と涙がこみ上げてきて・・・。
自分で、何の涙なんだろう…って、言語化するにはしばらくかかりました。
それは、
悔しい気持ち。
Nさんへの感謝。
応援してもらっているような気持ち。
成婚にはつながらなかったけど、Nさんにも確かな信頼関係があったと感じることが出来たこと。
そして、
「Nさんのような元会員さん達の想いを、これからの仲人人生でも大切にしよう」
というような、覚悟にも似た気持ち。
いろんな気持ちが私の中で、錯綜したんだと思います。
婚活は人生の棚卸し。その主人公は会員さん。
私は、婚活って人生の棚卸しでもあると思っています。
婚活をすることで、自分が何を大切にしているのか。
どんな人生を送りたいのか。
どんな人と一緒にいたいのか。
自分自身を見つめ直すことができる。
それだけでも、婚活をする意味はあると思っています。
でもね。
私は、そこを仲人としての「成果」にしてはいけないと思っているんです。
Nさんは、結婚したくて私のところに来られた。
成婚という結果に至らないこともあるのは事実だけど、
「でも、良いサポートはできましたよね」
なんて、私が求める事じゃないと。
それをどう感じるかは、Nさんが決めること。
ここでの主人公は、会員さんだから。
そして、人生の主人公も会員さんです。
だから私は、ただただ、
自分にできることは何だろう?
と考えて、会員さんとの対話を大切にしてきました。
それでも、結果として成婚の決断に至るご縁にはならなかった。
こればかりはご縁ですので、何とも言えませんが、
仲人としてまだ力及ばずだった部分も、あったかもしれません。
だからこそ、Nさんのお心遣いが、私にはとても心に沁みました。
仲人という仕事を続ける理由
仲人を始めた頃の私は、
「成婚した幸せなカップルを見届けたい」
という気持ちと、成婚カップルの笑顔を夢見て活動をしていました。
もちろん、今だってそうです。
会員さんが素敵な人と出会って、結婚して、幸せになっていく姿を見るのは、本当に嬉しい。
でも、仲人を続けてきて、少しずつ気持ちの質?が変わってきました。
成婚された会員さんだけじゃない。
成婚には至らなかったけれど、一緒に婚活した人。
私を信頼して、いろんなことを相談してくれた人。
婚活を通して、何かに気づいた人。
そういう人たちも、私の仲人人生を紡いでくれている。
私にとっては、全てが仲人としての成長の糧と言えます。
Nさんも、私が仲人として経験を積ませていただいた大切な方。
そして、
「私はこの人をお世話すると決めた」
そのときの自分の目も間違っていなかったと思っています。
私は、Nさんの人柄や、婚活に向き合う姿勢・・・今でも誇りに思っています。
私の自慢の会員さんです。
ありがとう・・・、ありがとう・・・。
Nさんがお電話下さった時のこと、私とのやり取りの中で、不器用に照れくさそうに、会員時代を再現するかのようなやり取りに、思わず二人で笑ってしまいました。
その時のことを思い出せば自然と、私の中に今でも
「ありがとう・・・、ありがとう・・・」
と、何度も何度もこの言葉が沸き上がります。
Nさん。
こちらこそ、ありがとうございました。
Nさんとの貴重な時間と経験を、これから出会う会員さんたちに返していきたい。
もっともっと仲人として成長したい。
そう思っています。
あのどら焼きは、きっとこれからも私の中に残り続けると思います。

私はこれからも、
「この人が自分らしく幸せに生きるには、どうしたらいいんだろう?」
そんなことを一緒に考えられる仲人でいたいと思っています。
もし今、
「結婚したいけど、何から始めたらいいんだろう?」
「婚活しているけど、なんだかうまくいかない」
「自分なりに頑張っているけど、誰かに客観的に見てほしい」
そんなふうに思っている方がいたら、よかったら一度お話ししましょう!
そして、もしこの記事を読んで、
「こんな仲人さんになってみるのもいいな」
と思ってくださる方がいたら、それもまた嬉しいです。
仲人さんが増えると、ご縁も広がりますから。
そんな仲人の仕事に興味がある方も、ぜひ一緒にやりましょう。